「――五代目銀竜亭が料理長。推して参るッ!」
ブルライト地方小国に拠点を構える本ギルド「銀竜亭」の5代目ギルドマスターであり、部レストランの料理長を務めるリルドラケンのミスリル料理人。武人じみた性格であり、料理の際は熟練の冒険者にも引けを取らないほどの覇気を放つと言われている。銀色の鱗を纏うその姿は「初代料理長の再来」と呼ばれることもあるが、血縁関係などはない。
銀竜亭の料理長・ギルドマスターのポストは完全な実力主義による襲名制であり、幾度となく現れる厨房破りの料理人を10年近くねじ伏せ続け「シルヴァ」の看板を維持し続けている。先代が現役だった頃から厨房におり、見習いからギルドマスターまで実力でのし上がったという実績があり、ギルドマスターとしての経歴よりも料理人であった時間の方がはるかに長く、そのため彼をリスペクトする人物は多い。
「ふぁふぁふぁ。そこの若いの、棚の上の皿をとってはくれんかね?」
グスタフの前、銀竜亭の4代目ギルドマスターであったコボルドの老人。赤みがかった毛並みを持ち、顎に長いひげを生やしている。既に隠居した身ではあるが、時折冒険者の前に現れては依頼などを頼んでくる。コボルドとしては既に平均寿命を大いに上回る程の高齢であり、外見も年相応に老いているが、どこかまだ死期などを感じさせない不思議な活力を纏っている。
蛮族でありながらギルドマスターという立場を務めたことで現役時はドゥーダの事を軽視する人物も数多くいたが、その悉くを料理の実力でねじ伏せ黙らせていた豪傑でもある。ギルドマスターとしての就任期間は短かったが、彼が腕の比べ合いで勝利してきた料理人は歴代最多とも言われている。
漢方や薬膳の知識に秀でており、それが彼の長生きの秘訣なのではとも囁かれている。
「伝説の調味料、その名も“タルタール”……。絶対みつけてみせる!!」
銀竜亭の本部レストランに所属しているタビットの少女。5人姉妹の長女であり、姉妹たちは衰退してしまった実家の料亭の復権を目指しアルフレイム各地で活動している。彼女らの至上目標は祖父の残した文献にある伝説の調味料「タルタール」を完成させること。サトは妹たちが各地で集めてきた情報を統括し、日夜研究に励んでいる。
あと数年もすればギルドマスターの右腕になれるのではとささやかれているほどの才女。若くしてギルドから“ダイアモンド料理人”の楯を授かっており、その才能は多くの料理人から認められている。
「あら、君たちもご飯食べてく?」
ゴールド料理人の称号を持つタビットの女性。大きな料亭の跡取り娘であるが、彼女の父親であった初代が亡くなって以降、その料亭は衰退しており、現在は規模を縮小。ドーデン地方の片田舎にこじんまりとした定食屋を構えている。
5人の娘を持つ母親であり、彼女の娘たちは「エイジノートの栄光を再び!」という意思のもとアルフレイムの各地で復興活動をしているという。
アルフレイム中の郷土料理に関する知識に精通しており、魚と野菜の扱いが非常にうまい。個人で山を所有しており、山菜の採集などに繰り出す彼女の姿が地元ではよくみられる。